債務整理も順番が重要!
債務整理する優先順位は?
一口に債務整理と言っても、4つの種類があるので簡単にどの方法を決めるという事ができません。まずは、自分に合った債務整理の方法について決定するところからスタートしていきます。債務の度合いによって決めることになるのですが、一般的には最も手軽な方法が過払い金請求です。
そして、過払い金請求と似た形で債務整理を行える任意整理が優先順位として高くなります。次に、任意整理をもう少し踏み込んだ形で行う個人再生があり、最終手段として自己破産があります。自己破産は、実施することで私財をすべて失う可能性が高いですし、社会的地位にも大きく影響を及ぼしますので、なるべく取りたくない手段と言えます。
まずは相談からスタート!
では、どの方法を採用すればベストなのかと言えば、これはケースバイケースであり一概に語ることはできません。また、個人の知識では太刀打ちできない側面もあるので、まずは司法書士や弁護士に相談することからスタートさせましょう。過払い金が社会問題化している中で、各法律事務所などでは無料相談会を開催しているケースも多く見られます。このような仕組みをうまく使いつつ、まずは接点を持つことからはじめてください。
過払い金請求の手順は?
過払い金だけは自分で請求できる!?
任意整理は司法書士や弁護士に任せたほうが良いわけですが、過払い金だけは自分で取り戻すことも不可能ではありません。ただ、本来取り戻すべきものが適切に請求できるかどうかは、ご自身の技量にかかわってきます。
単純に知識だけ持ち合わせていても、交渉テクニックも必要な分野ですので、一夜漬けで対応できるわけではありません。よほど自信がある場合を除いて、基本的には司法書士や弁護士などのプロに依頼することをおすすめします。
情報開示を依頼する!
具体的に依頼する方を決定したら、まずは貸金業者に対して取引履歴の開示を要求します。これは、具体的にどの金利でどれだけの期間お金を借りて返済していたかを示す証拠となります。ただ要求しても基本的には開示されないため、開示請求書を郵送して期限を明確して請求することになります。
仮に請求に応じず回答がない場合は、しっかりと履歴が残る内容証明郵便を使用して再度請求するのも有効的です。これであれば相手方に請求が届いていないという行き違いを予防することができます。
取引履歴を確認して引き直し計算をする!
貸金業者から取引履歴を入手したら、履歴内容を確認していくら過払い金があったかを計算し直します。この事を引き直し計算と呼ばれています。過払いというものは、グレーゾーン金利で貸出していた部分が対象となりますので、一定の計算式で割り出すことができますが、利息などの計算が若干厄介なので、基本的には計算ツールを使用して行われるのが一般的です。これにより、計算ミスも防止できます。
過払い金請求書を作成する!
具体的な過払い金が引き直し計算によって明確になったら、貸金業者に対して返還請求書を送付します。この書類は、仮に裁判となった場合に高い効力を発揮しますので、正しく作成することが重要です。また、返還請求書だけでなく引き直し計算の算出根拠(計算表など)も同封すると、より相手に対して伝わりやすくなります。
和解交渉を行う!
貸金業者に過払い金請求が届けば、この後は具体的な過払い金請求交渉が始まります。場合によっては、お互いが和解するという解決法もありますが、裁判にまで発展する可能性もあります。この時に、弁護士が付いているととてもスムーズに交渉が進みます。
任意整理の順番は?
担当が決定したら受任通知を発送する!
任意整理を行う上で、まずは代理人となる者を明確にして、貸金業者に通知する必要があります。この通知の事を、受任通知と呼んでいます。依頼する行政書士や弁護士が決定した時点で、貸金業者に対して受任通知を発送します。貸金業者が受領した時点で、催促や取り立てなどの行為が行えなくなります。仮に、取り立てなどで困っている場合は、とにかく早く受任通知を行うことをおすすめします。
取引履歴の開示と引き直し計算を行う
任意整理は、基本的に過払い金請求と似たプロセスを取ります。よって、最初に行うことは取引履歴の開示です。具体的な取引履歴から、どの程度過払いがあったかを引き直し計算していきます。
貸金業者との和解交渉を行う
引き直し計算を行って過払い金額が明確になったら、具体的な返還方法について交渉をはじめます。ここで過払い金請求と違う点として、借金の減額や今後返済する分の金利カットなどの交渉を行う点です。ただ、今のトレンドは金利カットに応じるのはレアケースであり、借金の減額を交渉するのは一般的です。
また、この時点で今後の返済計画も話し合われます。基本的には、36回払いでの返済となるケースが多いのですが、交渉次第では60回払いとできる可能性も残されています。
和解についての契約書を締結
具体的な残債の処理方法について決定したら、和解に同意を行います。和解は、大原則として同意した時点でそれ以上の交渉を行うことができません。よって、内容をしっかりとチェックした上で和解するようにしてください。和解に同意したら、同意内容に従い返済を行っていきます。絶対に、返済漏れがないように注意して、計画的な返済を行っていくようにしましょう。
個人再生や自己破産の手順は?
個人再生の手順は?
個人再生を選択する場合、まずは弁護士が介在通知を貸金業者に送付します。これにより、貸金業者に対して、個人再生の道を選択したことを明確にします。その後、過払い金の有無を確認すると同時に、個人再生される方の財務状況を確認します。これには、財産や資産の調査も含まれます。
実は、個人再生にも2つの種類があり、小規模個人再生と給与所得再生があります。大きな違いとなるのは、収入状況です。小規模個人再生の場合は、将来的に見ても安定した収入がある方が利用できます。逆に、収入が少ない、もしくは将来的に収入が不安定な場合に給与所得再生が選択されます。いずれも、住宅ローンなどが5,000万円以下であることが条件となります。
その後、裁判所に対して個人再生の申立を行います。そして、個人再生委員と呼ばれる、依頼している弁護士とは違う弁護士が専任されます。個人再生委員と面談を行い、その後6ヶ月間程度の返済を行っていきます。これは、実際に返済することを履行するかのチェックのために行われます。そして、個人再生手続きを本格的に行い、再生計画案を提出します。この再生計画案に従って、返済を行っていくことになります。
自己破産の手順は?
自己破産の手続きのスタートは、受任通知の発行~通知となります。この時点で、取り立ては行われなくなります。そして、自己破産についての書類を作成していきます。自己破産の場合は、綿再許可申立書、陳述書、債権者一覧、資産目録、給与明細書、源泉徴収票が必要です。多くの書類が必要であることを覚悟しなければなりません。
その後、地方裁判所に対して必要書類を提出します。その後、1ヶ月を目処として裁判所への出廷を求められます。破産審尋とも呼ばれ、返済できなくなった理由などを説明する必要があります。そして、破産手続開始の決定が通知されると、免責審尋が行われます。ここでは、正しい事実のみを報告する必要があります。免責審尋で問題ないと判断されれば、晴れて借金の返済を免責されます。
概ね、2週間程度で結論が出されるケースがほとんどです。ただ、免責されても官報に名前が掲載されたり、事故履歴として信用情報機関へ登録されるなど、生活が制限される事もあるので注意しましょう。特に、新たに住宅ローンなどの借り入れはできませんので、自己破産を選択する前に検討を重ねてください。
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