債務整理とは?
いざという時のための債務整理
何となく耳にしたことのある債務整理。人生というのは何が起こるか本当にわからないものですから、コツコツ真面目に生きていたとしても、突然負債を抱えてしまう事も珍しくありません。そんな時に債務整理の事を知っておけば、それだけで少しは助けになるもの。
誰もが知識として知っておきたいものこそが債務整理なのです。そんな債務整理ですが、実際に行う事を考えると気になってくるのがインターネット契約の事です。現代社会で生活するのに、インターネット回線の存在は無くてはならない物。
もはやライフラインの一つともいえるインターネット回線について、債務整理を行う事で現在の契約が打ち切られてしまう危険性があるのか、もしくは新たなインターネット契約で制限などがあるのか、本日は債務整理についての基礎知識と共にご紹介いたします。
債務整理は複数の種類がある
債務整理とは、司法書士や弁護士に依頼をし、借金問題の負担を軽くするための手続きの事です。借金問題の負担を軽くするという目的のもとに行われるため、手続きには複数の種類があります。CMでよく見かける過払い金の請求なども債務整理の一つ。そんな債務整理の中で特にメジャーなのが、「任意整理」と「個人再生」、そして「自己破産」です。ここからは、上記3つの手続きについて、詳しくご説明いたします。
任意整理
任意整理とは、借金額を利息制限法の上限の金利に引き下げて、借金の開始時からさかのぼって計算をし直す事です。これは利息制限法の金利の上限と、以前の出資法における刑事罰に抵触しない金利の上限が異なるために可能となる方法です。
例えば、金利が出資法の上限以内に収まっているが利息制限法の上限をオーバーしているという場合、この利息制限法の上限をオーバーしている金利に関しては法的には無効だが刑事罰は受けない、という状態になります。これを利息制限法の金利の上限内で計算し直し、正しい返済額を導き出すことが任意整理なのです。
正しい返済額を導き出したうえで上限をオーバーしていた分の金利を元本の返済に充てることで、大幅な減額が出来ます。万が一、オーバー分の金利で完済できていた場合は、余った金額が過払い金と呼ばれ、手元に戻ってくるのです。任意整理のメリットは、これからご説明する自己破産などで受けるデメリットを可能な限り回避したうえでしっかりと返済額を減額出来る事です。
任意と名の付く通り、自身の負債を一括で整理するわけでなく、一つ一つの負債を別個で計算していくため、債務整理が必要な物だけを選んで行うことができます。あくまで計算をし直すだけであり、借金自体がなくなるわけではないことは覚えておきたいポイント。継続して返済する能力がある人向けの手段と言えます。
個人再生
個人再生は、裁判所を通じて、任意整理よりも大幅な返済額の減額が狙える手続きの事です。弁護士などと今後3年間で返済する金額を相談し、債権者の意見も聞きつつ裁判所に認めてもらえれば、3年間、計画通りに返済をすることで残りの借金が免除されます。この制度は2001年に開始されました。
目的はそれまで自己破産するしか手段の無かった人に対する救済のためです。その1番のメリットが、マイホームを残すことができる事です。これまで自己破産では手放すことしかできなかったマイホームも、個人再生ならば残したまま、最大で10分の1という大幅な減額を行うことができます。
個人再生が適用されるには安定した収入があるかどうかなどの条件があり、個人事業主か給与所得者かでも減額される金額が変わってくるのですが、概ね任意整理と自己破産の間に位置する制度として存在しています。
自己破産
自己破産とは、裁判所に破産の申し立てと免責許可の申し立てを行い、認めてもらう事で自分の持つ借金の返済義務を免除してもらう制度の事です。負債の額や収入などから支払い能力を判断し、支払い不能と判定された場合に自己破産を行うことができます。最大のメリットはとにかく返済そのものが免除される点です。
重い借金に悩んでいたとしても完全に帳消しにし、新たな一歩を踏み出すことができます。借金の取り立てなどに悩まされる心配もありません。しかし、任意整理や個人再生と違い、全くの返済をしないままに免除される制度な為、デメリットが多いことも事実。
クレジットカードの利用や新たな借金が長期間不可能になる事は他の債務整理手段同様ですが、車やマイホームなどの資産を自分の名義で購入していた場合は没収されてしまったり、弁護士や司法書士、税理士や警備員などの職業に就くことができなくなってしまったりといった大きなデメリットがあります。
特に資産の没収に関しては思わぬものを失う事がある為注意をしておきたいところです。総じて、任意整理や個人再生では安定した返済をする見込みがない人のための最後の手段とも言えます。
現在のインターネット契約はどうなる?
インターネット契約は打ち切られる?
ここまで債務整理についてのご説明をしてきましたが、気になってくるのは現在のインターネット契約についてです。ブラックリスト入りしてクレジットカードや新たな借金の利用が出来ないとはよく聞く話で、これを考慮するとインターネット契約も打ち切られてしまうのではと考えてしまいますが、実際のところケースバイケースです。打ち切られることもあれば継続できることもあります。ここからはケースにあわせてご紹介していきます。
料金を滞納していない
プロバイダ料金を滞納していない場合、そもそも債務整理の範囲に入ることがない為、インターネット契約が打ち切られることはありません。債務整理を行うと個人信用情報機関のブラックリストに名前が登録され、クレジットカードの利用や新たな借金の借り入れが不可能になる事は有名ですが、インターネット契約に関してはそういった決まりごとがない為です。
安心して債務整理を行うことができます。では、プロバイダ料金を滞納していた場合はどのような扱いになるのでしょうか。
任意整理
先ほどお話しした通り、任意整理では実際に債務整理する借金を選択して計算することができる為、弁護士や司法書士にあらかじめ伝えておき、計算に含めないことで契約打ち切りを回避することができます。しかし、その場合は滞納分もそのままになる為、支払いを行わなければ契約を打ち切られる可能性はあります。忘れずに支払いを行うよう心がけましょう。
個人再生
個人再生においては、任意整理と違い自分の持つ借金が全て債務整理の対象になってしまうため、プロバイダ料金を滞納していた場合はまとめて債務整理されてしまいます。その為、インターネット契約を打ち切られてしまう可能性があります。
自己破産
自己破産も個人再生と同じく自分の持つ借金全てが対象になる為、プロバイダ料金を滞納していた場合は自己破産の対象になってしまいます。この際に注意したいことは、債務整理されても一定金額は支払いを行う個人再生に対し、自己破産は滞納分の料金もすべて免責され、支払う事が出来なくなることです。その為、インターネット契約を打ち切られずに済む可能性のある個人再生と違い、自己破産してしまった場合は確実に契約が打ち切られることになります。
新たにインターネット契約はできる?
債務整理によってインターネット契約が打ち切られるパターンについてお話してきましたが、万が一打ち切られてしまっても、別のプロバイダと新たに契約すれば問題なくインターネット回線を利用することができます。先ほどお話しした通り、インターネット契約に関してブラックリスト等は存在しない為です。しかし、プロパイダの会社単位でのブラックリストに登録される可能性はあるため、系列会社等の利用には注意しましょう。
債務整理後の注意点
最後に、債務整理を行った後の注意点を一つご紹介します。債務整理によってクレジットカードの利用や新たな借金が長期間不可能になるというお話は先程させていただきましたが、このクレジットカードの利用というのは既存のカードも当然対象になります。インターネット契約時にクレジットカード支払いに設定していた方は、忘れずに口座支払いなどに切り替えておくようにしましょう。新たな負債を作ってしまわないようご注意を。
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